さよならもいわずに

naitora2010-08-23

先月、今月と立て続けに、さよならもいわずに自分に近い人が亡くなった。
最近「人の死」が身近になってくる。
なぜ人の死が恐ろしいのだろう。
自分にとって未知の世界だからか。
いや、そんなことはない。昔から死後の世界が描写されているではないか。
「あの世」とか「天国」とか呼び名はいろいろあるし、死んだら「無」になるという考え方がある。
死者自身は特に何かを恐れていないような気がするが、残された人間、すなわち生きている人間は「親しい人を亡くした」自分を中心に考える。
例えば愛する人が、若くして、そして不意に死んだとする。
残された人間が持つ感情は「若くして死んじゃってかわいそう」「急に死んでかわいそう」が一般的だろう。
でも裏を返せば、「大好きな人を失った“自分”」がかわいそうなのかも知れない。
うまく言えないが、人は人の死を受け入れる能力がある。そうでなければ、いつまでも悲しみに暮れて暮らしていかねばならないのだから。(その悲しみも、立ち直れない“自分”が悲しいのだと思う)
俺は自分に近い人を亡くしても喪に服さなかった。人から非難されるかも知れない。
そんなとき、Amazonで注文していたコミック「さよならもいわずに 上野顕太郎著」がようやく届いた。
数週間前に注文していたのだが、朝日新聞で紹介されたせいか、どこに行っても売っておらず、ネット通販でも品切れ状態だったコミック。
一気に読破した。
俺はまだ人の死を受け入れる準備が出来ていないことに気付いた。


しかし、死ぬ間際に「さよなら」というコトバを言える人、そのコトバを聞ける人はそうそういないだろう。
もしかしたら一番聞きたくないコトバではある。
また明日が始まると日常に忙殺されるんだろうけど、たまには生と死を考える時間を取らねば・・・ね。