我思う。

大阪・八尾での事件。
だんだん犯人の素性が明らかになってきたけど、多くの人は「知的障害者」ってイメージしずらいのではないだろうか。
今では使用が禁止されている言葉だけど、ほんの少し前では精神薄弱者と言われていたね。
どっちにしても身近にこういった人がいないと全然イメージしずらいし、分かろうともしないはず。
実際に自分がそうだったもん。「障害者」って車イスに乗ってる人でしょ、くらいなもん。
白い杖を持って歩いている人さえ障害者だとは思っていなかったし。
はっきり言おう。障害者はみんなが思っているほどマイノリティではなく、あなたの近所にも必ずいることでしょう。
ただいろんな理由で家人が外に出させなかったり、隣人の目を気にしてひっそりと暮らしているかのどちらかかも知れない。
もちろんアクティブな障害者もたくさんいる。一般企業でバリバリやっている障害者も数少ないけどいるよ。
でも行動半径がめちゃくちゃ狭い人たちもたくさんいるのが現実。家と施設を徒歩か自転車で往復するだけで、電車やバスを利用できない人たちがいるんだよ。お金の使い方が苦手な人もたくさんいる。


縁あって障害者(身体・知的・精神)の人たちと仕事しているけど、やっぱり一般人には理解できない言動をとる人がいるのも事実。でも、こういったことは障害者に限らないんだよね。健常者(この言い方嫌いなんだけど敢えて使う)にも変人はいるし、同じなんだ。
今回の事件で知的障害者全体のイメージが低下したことは間違いない。
でも、自分でよく調べて欲しいし、知ろうとして欲しい。
そして自分で判断して欲しい。自分の下した判断が、知的障害者=危険な人間とするのならば文句言わないけど、マスコミやら風評でそのように思い込んでしまうのならすごく危険なことだと思う。

被害者の幼児とその親御さんの気持ちを考えると、きれいなことばかり言っていられないけど、一人をみて全部を決めつけないで欲しいんだ。
警察の不祥事があったりすると、「ほとんどの警察官はまじめに働いているのだが」、という枕詞がつくことが多いんだけど、知的障害者も一緒。
善良な人がほとんどだと思うけど、もちろんそうじゃない人もいる。
表現がストレートすぎたり、幼稚だったりすることがあるかも知れない。
世の中をうまく渡っていくテクニックなんてないから、持ち前の明るさで乗り切っている人もいる。
でもほとんどのことは俺たちと一緒なんだよ。
美味しいものに目がなくて、テレビが好きで、ゲームや漫画にだって興味があって、好きな歌手のCDを買うのが楽しみで、そして好きな人がいるかも知れない。つーか、恋愛感情だって普通にある人もいるよ。

自分の勤めている施設でも必ず話題になるだろうけど、他所で起こった話として捉えてはならないし、常に意識していなければならないだろう。
いつ何時、こちらの理解を越えた行動をとる可能性があるということを。
施設の利用者を監視なんてできないし、するべきではないことは重々承知しているけど、目は常に配っていかなければならないはず。
その辺のさじ加減が難しいんだよね。

決して善人ぶるつもりはないけど、たまには思っていることを綴ってみようかと思っただけ。